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このコーナーでは、ワタクシ歌見が体を張っていろんなことにチャレンジします。読者の皆様から「うちに体験に来てー」「これをしてほしい」というオファーも大歓迎です。



読書感想文

(2008年7月号に掲載)


 読者の皆さんは「読書感想文」って得意でした? ワタクシ歌見は毎年懲りもせず、夏休みの最後まで残してしまう子どもでした。そんなワタクシが、童話作家の尾崎美紀さんの指導で、読書感想文にチャレンジすることに。

 まずは尾崎先生から『夏の庭』という児童書を紹介して頂き、そして「感想文を書く参考になるから」と、姫路市立城内図書館で「ひめじ読書友の会」が催す、その本を題材にした読書会に伺いました。参加した皆さんは、一冊の本にさまざまな感想を持っていました。
 
 尾崎先生から聞いた読書感想文の書き方とは、
@まずあらすじを書いて、その後に感じたことを書く方法。
A特に心を引かれた部分を集中的に書く方法。
B主人公への手紙文にして書く方法。
 
 私は@の手法で取り組んでみました。


「夏の庭」を読んで
      歌見
 
 この本は、人生の最後のステージに立った老人と3人の少年たちとの友情の物語である。町外れのゴミ屋敷のような家に住む半ば世捨て人のような「おじいさん」、そして、家庭的に問題を持つ少年「河辺」、「山下」と「ぼく」。おじいさんが死ぬ瞬間を見るために、ぼくらは観察を始めた。ところが、ぼくらと交流するうちにおじいさんは弱るどころかどんどん元気になっていく。ぼくらに心を開いたおじいさんの家は徐々に輝きを取り戻していった。そして、戦争で生き別れてしまった元妻の話、人を殺めてしまった話、そのまま墓場まで持っていくつもりだった話をぼくらに聞かせる。秘密を告白したことでおじいさんの心は軽くなったはずだ。それを聞いたぼくらは、おじいさんのために元妻を捜索する。
 
 人間というものは、支え合って生きていくものだと思う。誰かの期待に応えるために力を発揮するのだ。私自身のことを考えてみても、人に何かを頼まれたらやはり張り切ってしまうし、「ありがとう」と言われることに生きがいを感じることがある。「人間頼まれるうちが花」とも思っている。実家の99歳の祖母は、毎日自宅とご近所の洗濯物を畳むことを仕事にし、それをこなすことを励みにしている。
 
 結局、おじいさんはぼくらが合宿に行っている間に亡くなってしまうのだが、不思議と喪失感は残らなかった。それよりも爽快感さえ感じてしまった。筆者はこの本を通して、「人間は使命感により生きていくもの」だということを言いたかったのだと思う。ぼくらとの出会いでおじいさんの人生は最後に花を添えられたし、ぼくらはそれぞれに成長した。きっとぼくらのターニングポイントにもなった一年間だっただろう。彼らの何十年後かを想像し、読後感もさわやかな良い一冊と出合った。


尾崎先生から講評と読書感想文を書くヒントを頂きました。
「感想文なんてへっちゃらだい」  

 感想文は感想を書くものです。当たり前のことだと思われるかもしれませんが、これがなかなか難しい。一生懸命にあらすじを書いて、最後にほんの数行「私は〜思いました」と慌てて感想を付け加える、という風になってしまいがちです。どうにも苦手だからと、あとがきを写してしまうという荒業に出る子どももいるようです。
 
 まず、読む時には必ず付箋を用意して、心に響いた一行や感動したページに張り付けていきましょう。原稿用紙を前にしたら、その部分を重点的に書けばいいわけです。あれもこれもと欲張り過ぎないように。なぜ作者がそれを書いたのか。自分ならどうしただろう。そこから感想文は出発します。

  『夏の庭』の登場人物は、それぞれが死というものを抱えています。しかし、この本は死を描きながら実は生きるということを問いかけている本なのです。そこに注目すると、3人の子どもたちが、ひと夏にどんな成長を遂げていったか、また受け継がれていく命というものがどんなに大切かが理解できると思います。
 歌見さんの感想文は、そこのところを自分と置き換え、比較して感想を書いているのが良いですね。この本の山場であるおじいさんの告白も、きちんと消化してあります。
 
 人は一人では生きられない。それを、自分自身の暮らしの中から見つけて書いていけばいいのです。子どもたちが、何十年か経てもう一度この本を読んだ時に、今度はおじいさんの立場としてどう感じるか。それを読んでみたいと思います。         


『SUNSUNあさひ』では、尾崎さんを講師に迎え恒例の「夏休み子ども読書感想文教室」を開催します。ぜひご参加下さい。